12の質問を生かした家づくり(動線編 帰宅後)

動線

 後悔しない家づくりの考え方として、前回の記事の12の質問をもとに解説していきます。

 今回は、朝編に引き続き帰宅後編です。今回も読者のみなさんのイメージが付きやすいように、具体例として私自身のルーティンを紹介します。繰り返しになりますが、後悔しない家づくりは、あなた自身の癖(ルーティン)を知ることが重要なので、あくまで参考として読んでいただければと思います。なお、帰宅後のルーティンは自分だけでなく、家族のルーティンも大きく関係してきますので、併せてイメージすることをオススメします。

帰宅後のルーティン編

5 会社の荷物(カバンやバック等)はどこに置きますか。

6 帰宅後に向かう場所を早い順に3つ挙げてください。

7 洗濯をしない通勤着はどこに収納しますか。

8 一息つくときは、ソファーや椅子に腰をかける派ですか。それとも、カーペットやこたつ等で寝転がる派ですか。

ディーンの帰宅後のルーティン

5 出窓

6 ①出窓 ②洗面所 ③物干し部屋

7 物干し竿

8 ソファーに腰をかける派

 今の生活をイメージして、回答することはできましたか。回答をもとに、あなたの後悔しない家づくりをするための動線を考えていきましょう。

 5の質問では、ほとんどの人がするであろう荷物の整理です。私は、通勤バックと会社で着用していた作業着が入ったバッグ(要洗濯)を整理することから始まります。

 「荷物を置く場所くらい、そのときの気分でいいだろう。」という意見もあるかと思いますが、これを怠ってしまうと、家族の荷物置き場が不明確になり、部屋が散乱するという結果を招く可能性が大きくなります。したがって、荷物を置く場所の定位置を決定するはとても大切ということがいえます。

 お子さんがいる家庭では、お子さんがランドセルや通学バックをどこに置くか、中学生以上の歳になったら、制服をどこに脱ぐかというところまで考えておくと、より計画的な収納を検討できるようになります。ちなみに、いろいろな家庭の実態としては、2階建ての場合、ほとんどのお子さんは、1階のどこかに置く家庭が大半です。2階に自分の部屋にあるとしても、2階に上がるのが、面倒のため結局のところ、1階のどこかで済ませているようです。

 以上のことを踏まえると、多くの家庭では、自分と家族の帰宅後のルーティン的に、1階のどこかに、通勤・通学用バッグの置き場とスーツや制服といった衣服の収納場所が必要になってきます。

 6の質問では、出窓→洗面所→物干し部屋の順と回答しました。 

 私が向かう3か所は、以下の設計図の①②③のように、一方方向に進んでいることがわかります。いちいち体を反転させて戻る必要がないので、スムーズな流れで手洗い・うがいや着替えを行うことができます。8の質問でも紹介しますが、私は③の後、ソファーへ向かいます。ソファーの設置場所や大きさは、事前にリサーチし、設計図に記載しました。というか、ソファーを購入するのであれば記載しておいて当然です。このような大きな家具・家電は設計士さんとの打ち合わせ内容としては必須です。打ち合わせをよりスムーズに進めるためには、家具・家電でどのようなものが欲しいか、どこに設置する予定かを明確にしておいた方がいいです。事前に家電量販売店や家具販売店に足を運んで、家具・家電のサイズをリサーチしておくと申し分なしです。リサーチに行く際は、メモ帳とメジャーを忘れずに持参しましょう。

 7の質問では、着替えを物干し竿に収納すると回答しました。設計図の③のところです。はじめは、④の階段下ホールの収納に着替えを収納しようと考えていましたが、扉を開けるのが面倒なため、今のところ③のスペースで落ち着いています。

 7の質問で意外と多くの人が、ソファーやキッチンで使用している椅子に引っ掛けると回答します。私も実際に、中高生時代は、椅子に引っ掛けていました。衛生面や見栄え的にも、あまりよくないので、着替えの収納場所はやはり考慮すべきことの1つです。

 8の質問では、ソファーと回答しました。これは、動線よりも間取りの方が大きく影響しますが、スムーズな動線をつくるという視点で考えると、ソファーやこたつなどは大きな障害物となることがあるので、このルーティンも明確にする必要があります。

 帰宅後は、身体的にも精神的にも疲労している状態であることが多いため、少しでもスムーズな動線を確保し、1分でも多く休息の時間を増やしたいものです。また、家を建てた後、動線的に小さなストレスが繰り返されると、そのことが気になり、やがて大きなストレスに発展することがあります。

 「こんな細かいことを考えるなんて、面倒だな」と自分たちのルーティンを考えることを諦めてしまうと、結果的にもっと面倒なことが自分たちにかえってきてしまいます。1度しかできない家づくりに後悔がないよう、自分たちのルーティンを洗い出せるといいですね。

「我慢は一瞬、後悔は一生。」

→「設計で悩み苦しい時間は一瞬、設計の後悔は一生」

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